昔のことを思い出す。

新卒で入社した会社で新規就業者のセミナーに参加を促された。

そのセミナーでは1日の中で、電話の作法、名刺の渡し方、社会人はなんたるかをグループワークしながら学ぶ。

その中で印象的だったのか「将来の自分をイメージしよう」という科目で

渡されたテキストに沿って人生設計図みたいなものを書く。

当時の自分は堂々と以下のように書いた。

24歳に2級建築士取得、その後北海道の設計事務所に転職、

27歳に1級建築士取得、30歳で独立して自分の事務所を構える。

我ながら自信家だなと思う。

これを書いた当初は「目標を顕在化出来てよかった。これに向けて頑張ろう」などと思っていた。

だが実際はどうだろう。

2級建築士のしかも学科で既に2回も落ちて、27歳でなんとか2級建築士に受かった。

仕事も仕事でスムーズな打合わせが出来るだけでも、綺麗な図面が描けるスキルあるわけでもなく、転職するほどの能力もない。

時間だけが過ぎる。

脳裏にセミナーで書いた目標が浮かぶ。

目標通りに歩めない自分。

自己嫌悪の日々だった。

だが30歳くらいになるとむしろ開き直る。

今となっては、知らない誰かの話を鵜呑みにして無理な目標を立てていた当時の自分にばかだなーとも思う。

目標がなくても生きられることに気付いた。