先日、実家の北海道から父・母・姉が山形に遊びに来た。

両親には去年仕事を辞めたことは伝えているが、どんなことして日銭を稼いでるのかはめんどくさくて話はしてない。

もちろんこのホームページの事も話していない。

両親との関係は思春期中学生の頃と変化していない。

そんな息子を心配して、わざわざ北海道~苫小牧まで車を運転し、フェリーに乗って来た。

さぞ心配なんだろう。

心配されてる内が花だな。

もう少し心配される体を取る。

来る前に母とLINEで連絡を取る。

「グラインダー使ってないなら頂戴」

「お父さんが鎌研ぐのに使っているから無理みたい。工具はそっちで買うといいよ。野菜いらない?」

「知り合いの人からいっぱいもらってるから大丈夫」

自分は朝日の家の作業の為に工具は欲しい。母は畑から取れた野菜が腐る程あるので食わせたい。

お互いの気持ちが折り合いが見つからない。噛み合わない。

北海道で食べたいもの・見たいものはあるが、持って来て欲しいものは思い付かない。

熟考した結果「ガラナ」を思い付く。

ガラナは飲料メーカーのKIRINで製造している北海道限定の炭酸飲料水。

ガラナとコカ・コーラと比べると

薄い茶色い液体なのだが、コーラよりも甘さがすっきりとしていて、炭酸がきつくないので飽きずに飲める。

またガラナを薬臭いという輩がいるが自分はそうは思わない。薬臭いのはドクターペッパーだけ。そこは強く言う。

実家にいた頃は、オレンジジュース・りんごジュースが日常で飲むことが許される飲み物。

炭酸飲料は誕生日・クリスマスなどのイベント日だけの飲み物という謎ルールがあった。

つまり特別な日の飲み物である。

「ガラナ持って来てくれない?」

「なんでわざわざ…」

母は呆れているようだった。

自分でもそう思う。なんでわざわざガラナを両親にお願いしてまで山形に密輸しているのか。「北海道限定」という言葉の魔力のせいだ。近所のスーパーとかに売っていればこんな思いはせることはないのに。KIRINの術中に嵌ってしまったみたいだ。車の揺れで炭酸が抜けないかだけが心配だった。

当日、母はガラナ1.5L×3本持って来てくれた。

1.5Lとまでは言わなかったのにありがたい。これが俗にいう母の愛だと感じる。

が、しいて言うならKIRINガラナの方が好きなのだ。

そこにあるのはコアップガラナだった。

※この話は北海道民向けの話である。